2019年PMP試験Content Outline改訂の新旧比較

2019年12月から、PMP試験のContent Outlineが改訂されます。

(公開後追記:改訂後の試験は2020年7月1日からに変更となりました。)

(さらに追記:2021年1月2日からに変更となりました。)

改訂の概要はこちらの記事にまとめています。

 

2019年PMP試験改訂の概要

 

本記事では、現行のContent Outlineと改訂後のContent Outlineを比較してみます。

 

現行のContent Outline

ドメインの種類

まず現行のContent Outlineを見てみましょう。

現行ではドメインは5つ定義されていて、それぞれの試験での出題比率は以下のように規定されています。

ドメイン 出題比率
I. Initiating 13%
II. Planning 24%
III. Executing 31%
IV. Monitoring and Controlling 25%
V. Closing 7%

 

プロジェクト・マネジメント・プロセスのプロセス群に沿ったドメインが定義されていることがわかります。

また、出題比率からどのドメインの試験対策に注力するのが効果的かがわかります。

 

ドメイン内の詳細

ドメイン内ではタスクが定義されていて、PMP試験ではそれぞれのタスクの理解度がはかられていました。

また、ドメイン内には、「Knowledge and Skills」の記述があり、ドメイン内の各タスクを実践するための知識やスキルについての記載がありました。

例えば、Initiatingでは以下のようにドメイン内タスクとKnowledge and Skillsが定義されていました。

ドメイン I Initiating
Task 1 得られる情報や過去のプロジェクトの教訓からプロジェクトアセスメントを実施し、所与の想定や制約下での新プロダクトやサービスの実現可能性の評価を行うためのステークホルダーとのミーティングを実施する
Task 2 顧客の期待をコントロールしプロジェクトを完遂させるため、ビジネス上の要件からキーとなる成果物を特定する
Task 3 ステークホルダーの期待値をすり合わせ、プロジェクトへのサポートを得るために、適切なツールやテクニックを使用してステークホルダー分析を行う
Task 4 プロジェクト実行の戦略を提案するため、現在の環境・組織的な要因・過去のデータ・専門家の判断から、ハイレベルなリスク・想定・制約を特定する
Task 5 プロジェクトホルダーの合意を取得するため、情報を収集し分析することによって、プロジェクト憲章の作成に参加する
Task 6 プロジェクトへのコミットメントとプロジェクトマネージャーへの信認を得るため、スポンサーからプロジェクト憲章の承認を取得する
Task 7 プロジェクトが組織の戦略の方向性と合致しビジネス上の価値が期待できることを確認するため、ステークホルダーとベネフィットの分析を実施する
Task 8 承認済みプロジェクト憲章をステークホルダーに周知し、主要な成果物・マイルストーンおよび役割と責任についての共通認識を持たせる
Knowledge and Skills
  • 分析スキル
  • ベネフィット分析技術
  • プロジェクト憲章の要素
  • 見積ツールと技術
  • 戦略的経営

 

 

日本語訳は筆者による。

他のドメインについても必要な方がいましたら別記事で解説します。

 

ドメイン外のKnowledge and Skills

また、現行のContent Outlineでは、ドメインごとのKnowledge and Skillsだけでなく、分野横断的な(cross-cutting)知識とスキルも規定されています。

この分野横断的な知識とスキルは39個も定義されています。

いくつか挙げると、

  • アクティブリスニング
  • ブレインストーミングテクニック
  • 意思決定
  • ミーティングマネジメントテクニック
  • チームビルディングテクニック

など、一般的なビジネススキルと同様のものが多く記述されています。

 

改訂後のContent Outline

つづいて改訂後のContent Outlineを見てみましょう。

ドメインの種類

ドメインは3つに再編されました。

ドメイン 出題比率
I. People 42%
II. Process 50%
III. Business Environment 8%

 

現行のプロジェクトマネジメントプロセスのプロセス群に沿った切り方ではなく、ドメインを構成するタスクの性質に着目してドメインが規定されるようになりました。

 

 

ドメイン内の詳細

各ドメイン内にはタスクが規定されています。

後日、各タスクに関連するプロジェクトマネジメントプロセスを紐づけていきたいと思います。

Domain I. People

Task 1 Manage Conflict コンフリクトマネジメント
Task 2 Lead a team チームリード
Task 3 Support team performance チームのパフォーマンスのサポート
Task 4 Empower team members and stakeholders チームメンバーとステークホルダーのエンパワーメント
Task 5 Ensure team members/stakeholders a adequately trained チームメンバー・ステークホルダーへの適切なトレーニング
Task 6 Build a team チームビルディング
Task 7 Address and remove impediments, obstacles, and blockers for the team プロジェクトの障害の特定と除外
Task 8 Negotiate project agreements プロジェクトの合意交渉
Task 9 Collaborate with stakeholders ステークホルダーとの協業
Task 10 Build shared understanding 共通理解の作成
Task 11 Engage and support virtual teams 遠隔チームメンバーのエンゲージとサポート
Task 12 Define team ground rules チームの基本ルールの作成
Task 13 Mentor relevant stakeholders ステークホルダーのメンターシップ
Task 14 Promote team performance through the application of emotianal intelligence 感情面からの働きかけによるチームパフォーマンスの向上

日本語訳は筆者による。

 

Domain II. Process

Task 1 Execute project with the urgency required to deliver business value ビジネス上の価値を出すための緊急性のあるプロジェクトの実施
Task 2 Manage communications コミュニケーションのマネジメント
Task 3 Assess and manage risks リスク評価とマネジメント
Task 4 Engage stakeholders ステークホルダーのエンゲージメント
Task 5 Plan and manage budget and resources 予算と資源の計画と管理
Task 6 Plan and manage schedule スケジュールの計画と管理
Task 7 Plan and manage quality of products/deliverables 品質の計画と管理
Task 8 Plan and manage scope スコープの計画と管理
Task 9 Integrate project planning activities プロジェクト計画の統合
Task 10 Manage project changes プロジェクト変更管理
Task 11 Plan and manage procurement 調達の計画と管理
Task 12 Manage project artifacts プロジェクト成果物の管理
Task 13 Determine appropriate project methodology/methods and practices 適切な手法や実践の決定
Task 14 Establish project governance structure プロジェクトガバナンス体制の確立
Task 15 Manage project issues プロジェクトイシューの管理
Task 16 Ensure knowledge transfer for project continuity プロジェクト継続のための適切な知識の移管
Task 17 Plan and manage project/phase closure or transitions プロジェクト/フェーズの終了や移行の計画と管理

 

日本語訳は筆者による。

 

Domain III. Business Environment

Task 1 Plan and manage project compliance コンプライアンスの計画と管理
Task 2 Evaluate and deliver project benefits and value プロジェクトのベネフィットと価値の評価と実現
Task 3 Evaluate and address external business environment changes for impact on scope 外部ビジネス環境の変化を特定とプロジェクトスコープへの影響の評価
Task 4 Support organizational change 組織変更のサポート

 

日本語訳は筆者による。

 

改訂前後のContent Outlineの比較

改訂前後のContent Outlineを比較してみてみましょう。

ドメインの区切り方とタスク数

ドメインの区切り方が、現行のプロセス群に沿った区切り方から
ドメインを構成するタスクの性質に着目した区切り方に変わりました。

 

それによって、ドメイン数が

現行 : 5

から

新 : 3

に大きく変わりました。

 

また、タスク数は

現行 : 42

から

新 : 35

と、大きく数字を減らしています。

 

Knowledge and SkillからEnablerへ

現行では、ドメイン内タスクを実施するために必要なものは

“Knowledge and Skills”

として記述がされていました。

 

新Outlineでは、ドメイン内タスクを実践する際の実例を示すために

“Enablers”

として記述がされています。

 

例えとして、”Manage conflict“タスクのEnablerとして

  • コンフリクトの原因と状況を解釈する
  • コンフリクトに至った経緯を分析する
  • コンフリクト解決に向けて適切な判断/勧告/調停を行う

が記述されています。

今回のこの変更は、知識やスキルよりも、実践できる能力をはかる意図なのではないでしょうか。

また、各タスクの習熟度がどのように図られるのかがEnablerによって具体的に記載されているので、どういった内容が問われるのかが把握しやすくなったように思います。

 

出題比率

現行のContent Outlineでは、最終ページにて、出題数比率と共に、採点対象の問題数が定義されていました。

これはどういうことかというと、PMP試験では200問が出題されますが、そのうち採点対象となるのは175問だけでした。
残りの25問は自身のスコアには反映されないダミー問題です。ダミー問題は今後の試験問題とするかどうかを判断するための正答率の情報収集なのではないかといわれていました。

 

しかし、今回新たに発表されたContent Outlineでは採点対象の問題数や、スコアに反映されない問題数の記載はありません。
実際に受験すると、どの問題が採点対象なのかはわからないため、知っていたところで特に利点もないのですが、、

さらに言うと、今回のContent Outlineでは総問題数の記述もなくなっています!(現行のContent Outlineでは200問と明記されていました)
今後別のドキュメントで問題数も明記されるとは思いますが、もしかすると問題数も変わるのかもしれません。
今後の情報を待ちましょう。

 

最後に

Content Outlineの改訂は大きなものだという印象を受けました。

すでに試験対策を始めている方はもちろん、PMP取得に興味を持っている方は参考書や試験対策の情報が出そろっている現行試験のうちに合格してしまいましょう。

 

【PMP対策】PMP虎の巻の活用法


PMP試験合格虎の巻 第6版対応

 

 

とはいえ、出題元となるPMBOKは第6版から変わりないので、新しいOutlineに移行しても、持っている知識は無駄にはなりません。

 


プロジェクトマネジメント知識体系ガイド PMBOKガイド 第6版(日本語)

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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